Abhyanga アビヤンガ
アビヤンガとはオイルマッサージまたは油剤塗布で、アーユルヴェーダの代表的トリートメントです。
植物オイルやギーなど様々な油剤(スネーハ)を温めて手のひらでたっぷりと全身に塗り込んでいきます。
サンスクリットでアビ(abhi)は「入れる」「一定方向に動く」、アンガ(anga)は「手足」または体を意味し、アビヤンガとは”体に油を入れる(塗る)” という意味です
アビヤンガは浄化療法(パンチャカルマ)の準備として、また健康の維持や向上のために施術され、通常は発汗法と合わせて行われます。
アーユルヴェーダではヴァータドーシャの異常により様々な不調が起こると考えますが、油剤(スネーハ)はヴァータドーシャを鎮める最良のものとされています。そのため、健康に長生きすることを目標にするアーユルヴェーダではアビヤンガは欠かせない生活習慣の一つに位置づけられています。
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古典文献におけるアビヤンガの利点
古典文献においてアビヤンガは以下のような利点が挙げられています。
・早期老化を防ぐ(Jarāhara)
・疲労回復(Śramahara)
・ヴァータドーシャ鎮静(Vatahara)
・目の機能向上(Dṛṣṭi Prasadakara )
・寿命を伸ばす(Ayushyakara)
・肌を健康にする(Tvak Dandhyakara)
・眠りの質を高める(Svapnakara)
・身体強くし変化に対応できる(KleśaSahatva)
・外傷からの回復力向上(Abhighāta Sahatva)
・汚れを取り除き肌色をよく強くする(Mṛjavarṇa Balaprada)
アビヤンガの種類
アビヤンガの種類には以下のものがあります。
目的や状態に合わせて必要なアビヤンガを行います。
- サルヴァンガ アビヤンガ:全身施術
- シロー アビヤンガ : 頭部施術
- エーカーンガ アビヤンガ : 局所施術(膝、肩、首、腰など)
- パーダ アビヤンガ : 足部施術(足裏)
この他に、顔に行うムカアビヤンガ、赤ちゃんに行うシシュアビヤンガ、産後のお母さんに行うスーティカー アビヤンガなど、特別なアビヤンガもあります。
これらのアビヤンガは通常、効果の最大化が期待できるよう十分なトレーニングを受けた専門家が行います。
またアビヤンガは、自宅でセルフマッサージとして行うこともでき、定期的に行うことで健康を増進することが期待できます。
アビヤンガオイル
アビヤンガに使用するオイルは体調や体質によって使い分けます。
- ヴァータ
セサミオイル、ダンワンタラムタイラなど
(温性のオイル) - ピッタ
ココナッツオイル、ピンダタイラなど
(冷性のオイル) - カパ
マスタードオイル、コッタムチュッカディタイラなど
(熱性のオイル)
アビヤンガテクニックの基本と応用
アビヤンガは基本的に血流と同方向(心臓を中心として末端へ向かって)に行います。
また手のひらを密着させたまま全身をダイナミックにマッサージするのが特徴のシンプルなテクニックです。
ただし、体力がない人や華奢な人と体力があり体格が良い人に同じように施術することができないため、原則の応用や圧・スピードに変化をつけることにより体質に合わせた施術を行います。
オイルの選択に加え、体調や体質に合わせた施術の提供でお客様の満足度を更に高めることが可能になります。
「アビヤンガテクニックの基本と応用」近日公開
アビヤンガを行えない人
発熱時、消化不良時(アーマ状態)カパ増悪時、生理中、妊娠中はアビヤンガを行えません。
アーユルヴェーダトリートメント提供に関わる関連法令
アーユルヴェーダサロンはお客様の健康維持や向上のためのサービス提供をしています。
安心してご来店いただけるように法令に違反するような行為や発言また広告を行なうことのないように気をつけましょう。
アビヤンガは特に「デトックス」「毒素排出」など表現に注意が必要です。
施術提供する際に関わる関連法令は以下になります。
・薬機法:使用オイルやハーブなどに関わる法令
・景表法: SNSやHPなどでサロンの宣伝をする際に関わる法令
・医師法/ あはき法:HPなどの表記やサロン内での言動に関わる法令
詳細は[アーユルヴェーダセラピストのための関連法令]からご確認ください
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