Shirodhara シローダーラ
2021年12月3日
オイルなどの液体を頭部に一定の時間流し続けることをシローダーラといいます。
シロー= 頭 ダーラ =連続した流れ を意味し、アーユルヴェーダの健康観である身体、心、魂の調和を実感できるとして日本や海外でも人気が高い施術です。
Contents
古典文献におけるシローダーラの適用
シローダーラはアーユルヴェーダの身体浄化法(パンチャカルマ)の一部として組み入れられるほか、ストレスによる不調にも適用されます。
- 頭、首、目、耳、鼻、のどにつながる部分の不調
- 顔や目の麻痺などの神経系の不調
- 眠りの質改善
- 抜け毛、白髪、枝毛の予防
- 頭痛の予防
- 心と身体のバランスを整える
- 記憶力や集中力の向上など
シローダーラの種類
シローダーラは流す液体によって以下のように分類されます。
- タイラダーラ : オイルのダーラ
- クシーラダーラ :ハーブミルクのダーラ
- タクラダーラ :ハーブバターミルクのダーラ
- クワタ(カシャーヤ)ダーラ:ハーブ煎じ液のダーラ
- ジャラダーラ:水またはココナッツウォーターのダーラ
シロダーラを受ける人の体調や体質に合わせて流す液体を選びます。
液体の選び方
- タイラダーラ
オイル(油剤)はヴァータを鎮める特徴があり主にヴァータが原因になる不調に適用されます。 - クシーラダーラ
ミルクは冷性でヴァータとピッタを鎮めるたヴァータやピッタの不調に適用されます。 - タクラダーラ
バターミルクのダーラは心とプラーナヴァータを整えるとされるため心身の統合を図ります。 - クワタ(カシャーヤ)ダーラ
主に頭皮や頭髪を清浄にする目的でおこなわれます。 - ジャラダーラ
頭の熱を取り除くため主にピッタ性の不調に適用されます。
シローダーラの手順
- 体全体にアビヤンガ(適したオイルを塗布)します
- オイルが顔や目に流れてこないように、額にコットンバンドを巻くか目元にコットンをあてます。
- マッサージテーブルの上では低めのまくらを使用し、頭をやや高くします。頭が低くなりすぎると頭部に血流が流れ込み頭痛や気分の悪さを引き起こします。また首に負担をかけないように枕で調整します。
- 温度約37~40℃にしたオイルを用意します。(※)温度が高すぎる薬液は頭痛や灼熱感を引き起こし、低すぎるオイルは不快感と不安を引き起こします。
(※)クシーラダーラやタクラダーラなどは原則常温で行います。 - ポットの穴の位置が額の中心より外側にくるようにし、3〜4横指分上から注ぎます。
- 頭皮全体にオイルが注がれるように時々ポットを動かし、施術者は手のひらで優しく頭部を撫でます。
シローダーラを行えない人
妊娠後期の女性やオイルをが苦手な人は施術を受けることができません。その他、脳腫瘍、首の怪我、額の切り傷や擦り傷、発熱などの症状がある方、急性疾患のある方、吐き気、嘔吐、疲労感、倦怠感、ある方は対象外になります。
シロダーラ後の注意点
シロダーラを行った後は頭髪の余分なオイルを洗い流します。
長期間オイルをつけたままにしておくことはカパを増大させてしまいます。
施術後はドーシャが鎮静しているので外出や移動はできるだけさけ安静に過ごします。
また、カフェインやアルコール、塩辛いものや油物などは避け、消化に優しいものをとるよう心がけます。
夜寝る前には入浴しPCやスマホは使用しないようにして就寝します。
アーユルヴェーダトリートメント提供に関わる関連法令
アーユルヴェーダサロンはお客様の健康維持や向上のためのサービス提供をしています。
安心してご来店いただけるように法令に違反するような行為や発言また広告を行なうことのないように気をつけましょう。
施術提供する際に関わる関連法令は以下になります。
・薬機法:使用オイルやハーブなどに関わる法令
・景表法: SNSやHPなどでサロンの宣伝をする際に関わる法令
・医師法/ あはき法:HPなどの表記やサロン内での言動に関わる法令
詳細は[アーユルヴェーダセラピストのための関連法令]からご確認ください