Dhānyaka Pānaka ダーニャカ パーナカ
ダーニャカ(コリアンダー)はアーユルヴェーダで冷却作用を持つピッタシャーマカに属しアグニを向上させる貴重なハーブとして知られています。アーユルヴェーダには体内の代謝を止めることなく自然に体を冷やして身体を守る飲みもの”パーナカ”があります。
古代の清涼飲料水も甘くて美味しい
夏の暑さで身体が火照っているとき、また疲労が溜まっているときに甘くて喉越しの良い冷たくて甘い清涼飲料水を欲することがありますよね。
市販の清涼飲料水は糖分が多いため不健康な飲み物の代表になっていますが、アーユルヴェーダには健康的な清涼飲料水のレシピがあります。それが自然素材の性質を最大限に活かし甘くて美味しいのに健康的な飲み物パーナカです。
アーユルヴェーダ文献の食事療法の中でパーナカは、甘いサトウキビ、未熟なマンゴー、熟したタマリンド、レモン、バターミルク、コリアンダー、黒コショウ、クローブ、カルダモン、カンファーなどピッタシャーマカの消化促進の材料で作るものとされています。
※ピッタシャーマカ:ピッタによる熱放射で全身に広がった熱を破壊し冷却する作用のこと
ピッタシャーマカの食材は自然の冷却作用があるため、氷を入れる必要もないため消化力を障害することなく身体の熱を穏やかに鎮めてくれます。
ダーニャカ(コリアンダー)の性質と作用
アーユルヴェーダ薬理ではダーニャカは以下のような性質や作用を持つとされます
ラサ(味) | カシャーヤ(渋)ティクタ(苦) |
グナ(性質) | ラグー(軽)スニグダ(油) |
ヴィパーカ(消化後の作用) | マドゥーラ(甘) |
ヴィーリャ(薬力) | ウシュナ(温) |
トリドーシャへの影響 | トリドーシャバランス |
ダーニャカの健康上の利点
・尿量を増やす
・消化機能を向上する
・味覚を向上する
・吸収力を向上する
・喉の渇きを癒す
・灼熱感や吐き気を抑える
・風邪や咳などに役立つ
※その他ピッタ悪化症状に有効とされます。
Dhānyaka Pānaka ダーニャカ パーナカの古典レシピ
dhānyakapānaka
śilāyāṁ sādhu sampiṣṭaṁ dhānyākaṁ vastragālitam |
śarkarōdaka-saṁyuktaṁ karpūrādisusaṁskr̥tam |
nūtanē mr̥ṇmayē pātrē sthitaṁ pittaharaṁ param ||136||
バーヴァプラカーシャニーガントゥ12章kṛtanna varga
<材料>
コリアンダーシードを挽いてふるいにかけたパウダー 10g
浄水 1L
赤糖 (ジャガリー) 20g
マッドポット(土壺)
<作り方>
①コリアンダーシードをよく洗い2時間ほど天日干し(atapa)して浄化する
②完全に乾いたコリアンダーシードを石のプレートでつぶす(機械的な熱を発生させる金属はできるだけ避ける)
③目の細かい布を使って濾して細かなパウダーにする
④一度沸騰させてから常温に冷ました水(浄水)をマッドポットの中に入れて冷やし赤糖20gを加えておく
⑤砂糖水にコリアンダーパウダーを加えてよく混ぜる(古典にはここにカンファーを加えるとされます)
⑥その後2時間ほどマッドポットに置いて冷却してから飲む
Dhānyaka Pānaka ダーニャカ パーナカの簡易バージョン
材料や作り方の決まり事をそのまま再現するのはなかなか難しい場合、簡易バージョンとして水に市販のコリアンダーパウダーか潰したコリアンダーシードと砂糖を加えてしばらくおいて濾して飲むこともできます。