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Vaidyaratnam Ayurveda Foundation 視察研修記

毎年訪れているVaidyaratnam Ayurveda Foundation(VAF)ですが、今回はオフィシャルなスクールの研修ではなく、ご縁をいただいている関係者とともに「視察」形態でのプログラムを組んでいただきました。

参加者は全部で9名という少人数に未成年の同行者が2名。
かなりプライベート感が強く参加者同士まるで家族のような交流もできました。

プライベート視察ということで、レクチャーは最小限、と思っていたのですが、、、予想に反し、今までで一番濃厚な学びの多い「研修」となりました。

折角のアシュタヴァイディヤ(アーユルヴェーダの8科目を習得した伝統医)の叡智に触れる機会、今回は特に、日本で役立つ技術やトレーニング、とは考えず、アーユルヴェーダの伝統をしっかりと感じられるようなプログラムにしてほしい!とリクエストしました。
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初日のホーマとプージャーは、なんと朝6時から13時まで続く盛大かつ正式なアーユルヴェーダの神様=ダンワンタリのプージャー。ダンワンタリプージャーを行うための準備としてガナパティホーマ、サンカルパプージャー、と滅多に体験できないプージャーからスタートしました。
ここでスペシャルなダンワンタリ・ギーがプラサーダムとして参加者に手渡され、その日から12日間毎朝空腹時に一滴飲むように。その間は肉魚卵などのノンベジを口にしてはいけない、というお達しをいただきました。
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その後のプログラムは、「製薬工場見学」「アーユルヴェーダハーブガーデン見学」「アーユルヴェーダにおけるマントラとホーマの重要性」「製薬法基礎(薬用オイル&ギー、プッタパーカの製薬方法実習)」「アーユルヴェーダミュージアム見学」「クッティプラヴェーシカ(ラサーヤナ治療のための施設)見学」と続きました。
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視察、講義全て通して、古代の叡智としてのアーユルヴェーダはどんなものだったのか、、現代と何が違うのか、今私たち現代人が見ているものはなんなのか、、、そんなことを常に問いかけられているようでした。

本視察研修で一番印象深かったのは、ケララ唯一現存するクッティプラヴェーシカ(ラサーヤナ治療のための施設)を見学に行った際にそちらのドクターがおっしゃったこと。

「アーユルヴェーダはサイエンス(科学)じゃない。シャーストラ(ヴェーダをもとにした知識)だ。」

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現代の医学や文化を叱責するように、、強くおっしゃいました。

「サイエンスは明日ひっくり返る可能性がある。シャーストラは決して変わらないのだ。」

私たちがサイエンスに見ているものはこの実存する宇宙の一部でしかなく、シャーストラはそれをはるかに超えているのです。

アーユルヴェーダをはじめとしたヴェーディックな学びの醍醐味はここじゃないかな、と思いました。

人間が自身のリミットを超えていけるかいけないか。。

どんな学校をでたのか、なんの資格をとったか、どんな肩書きなのか、では計れない、ヴェーディックな学びを通じてでしかみえてこないもの。。。

今回の視察研修では、貴重な講義や施設見学といった経験ももちろんですが、ドクターやセラピスト、だけでなく、参加された皆さんの中にもダンワンタリ神、ドゥルガー女神(トリシュール・タイカッシェリーの村の守り神でヴァイディヤラトナムを運営するムース家ではダンワンタリの化身と考えているようです)を感じられたことがとても嬉しかったです。
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安心感と温かさ信頼感に満たされた5日間でした。

この学びに出会えたこと、素晴らしいご縁に恵まれていることに感謝しかありません。

これからもTAJではアーユルヴェーダを正しく理解できるように、また、ヴェーディックな学びを始められるきっかけ作りをしていけるようなクラスやセミナーなども行っていきたいと思います。

2016年はあらたな決意をもって、サンスクリット語から学ぶアーユルヴェーダの基礎や、現地の教科書を使って学ぶアーユルヴェーダ解剖生理学などをスタートさせますが、今回のVAFでの体験を通じ、とても良い心の準備ができました。

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